ツラろう

後鼻漏による慢性咳嗽(長期間続く咳)の治療について

鼻漏によって引き起こされる長期間にわたる咳。この長く続く咳を「慢性咳嗽」といいます。

このページでは、慢性咳嗽についての情報をお伝えします。

なお、医学書院から出版されている「今日の治療指針 2012」から引用します。

この書籍は非常に素晴らしい書籍で、書名が示す通り各症状の治療指針が書かれています。診断を下すのは医師ですが、症状確定後になにをするかを知ることができるのがこの本の特長です。

毎年前面改訂されているため、常に最新に近い情報が載っています。今回の後鼻漏に関しては残念ながら専用の項目はありませんでしたが、慢性咳嗽の治療の一部として触れられています。

慢性咳嗽とは

慢性咳嗽とは、以下のような症状をさすようです。

8週以上持続するものを慢性咳嗽とよぶ。

また、咳の病態生理として次のようにも書かれています。

ヒトは咳一回で約2kcalのエネルギーを消費する。長期にわたると衰弱し、体重減少や抑うつ気分などが生じる。

ときに睡眠困難、胸痛、肋骨骨折などをきたして深刻な事態となる。

咳というのは結構な負担を身体に強いる症状です。

後鼻漏から慢性咳嗽(症状を読むと私にはあてはまっているようです…)になった経験を思い出しますと、この辛い状態を的確に表しているといえます。

他人からはただの「酷い咳」にしか見えませんが、実際に咳をする方は咳をする度に、本当に体力を奪われています。過剰な呼吸に寄る頭痛もしますし、筋肉にも不可がかかりだるさがつきまといます。慢性であるために耐え続けるしかありませんし。

なお、治療介入(治療行為をすること)の有無を判断する方法として、以下の点を挙げています。

慢性咳嗽と定義される3週間以上の持続例であれば治療介入を行う。

冒頭では8週間続くことが条件のように書かれていましたが、もっと早い段階で治療の判断ができるようです。これはたすかりますね。

湿性咳嗽と後鼻漏

慢性咳嗽には湿性咳嗽という症状もあるそうで、この湿性咳嗽は後鼻漏をともなっていることが多いそうです。

ほかにも、湿性咳嗽では副鼻腔気管支症候群という症状も伴うそうです。

基本的には、鼻に関する疾患に関わるようですね。

後鼻漏(副鼻腔気管支症候群もふくむ)

「今日の治療指針」には、後鼻漏の治療方法がすこしだけ書かれています。なお、これはあくまで情報の一つでしかない点を予めご了承ください。それでは、以下に引用します。

慢性鼻腔炎を伴うものでは、14員環マクロライド系薬の長期投与(3ヶ月程度)が有効である。日所的に2)のように去痰剤を用いてもよい。

  • 1)クラリス錠(200mg)またはクラリシッド(200mg) 1-2錠 分1-2
  • 2)コムダイン錠(500mg)3錠 分3

具体的な薬剤名まで記されていますが、もちろん医師以外は診断ができませんので、あくまで参考程度にご覧下さい。

上記の薬剤やその成分が含まれているものを自己判断で入手しようとしないでください。

医師の診察で必要と判断された際に処方されるはずですし、他の薬剤の方が効果があるかもしれませんから。