ツラろう

スギ花粉と喉への症状

後鼻漏を引き起こす原因の1つが花粉症ですが、何もスギやイネだけがアレルゲンではありません。ヒノキという難物も含まれます。

ヒノキ花粉についての調査は少ないようなので、今回はヒノキを主とした調査を行った論文を紹介します。

なお、ここで述べられる特徴はあくまでの調査にける実験結果にすぎず、確定した症状の差ではありません。あくまで1つの参考として読んでください。

論文の書誌情報

論文に関する情報です。

概要

論文の結果として、以下のように概要が書かれていますので引用します。

結果: VASによる鼻症状は花粉飛散数に伴って悪化し, スギ花粉飛散期でヒノキ科花粉飛散期より強かった. 一方, のどの違和感と咳は,ヒノキ科花粉が少量飛散であったにもかかわらず, ヒノキ科花粉飛散期で悪化した.

また日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票No2の鼻眼以外の症状において, スギ花粉症では飛散総数が多いと全般に症状が悪化したが, ヒノキ科花粉症は少量飛散でも強い咽喉頭症状を示し, 大量飛散年に類似した.

スギ花粉とヒノキ花粉は症状が違う

スギ花粉もヒノキ花粉もアレルギー性鼻炎を引き起こしますが、その他にものどにも影響があります。

ですが、どちらの花粉も同じように振る舞う訳ではないようです。論文のデータでは、スギ花粉は鼻ものども全般的に症状がでますが、ヒノキ花粉はのどに強い作用があるようです。

この喉への作用が、後鼻漏などの後期に訪れる長期の咳に関係しているのかもしれません。

ヒノキ花粉がなぜ喉に影響を与えるのかは原因が不明なようですが、症状として以下のようなものを確認された模様です。

上記のことからヒノキ花粉が喉に影響をあてえていると仮説をたてられた模様です。

喉と花粉

論文内で書かれていますが、花粉が気管に入り込むことはあまりないそうです。

スギ花粉の大きさは約35ミクロンで、ヒノキ花粉の大きさは約30ミクロン。鼻で呼吸し他場合、花粉のほとんどが鼻の粘膜に捕まって喉にはいきません。また、花粉の大きさをから気管支にはいることもないと思われるようです。

素人考えですが、ここで後鼻漏の症状を思い出すと関連性が想像できそうです。

ヒノキ花粉(あるいは他の花粉もですが)が鼻の中で鼻水に包まれ、その鼻水が後鼻漏のために喉に投げれ込み、後鼻漏の強い粘性によって喉にとどまる。

と考えられなくもありません。私は医者でも何でもありませんので全くの推測ですが、後鼻漏になって長期間咳が止まらず、眠れない夜や咳を気にする人の目に苦しめれている原因の1つなのかもしれません。

私自身、後鼻漏は後尾汁による喉の炎症という程度の理解でしたが、こうして花粉を関連づけますとより具体的なに後鼻漏の症状が想像できそうです。

ところが…。ヒノキ花粉の飛散情報を調べると何ともいえない状況になってしまいました。

ヒノキ花粉の飛散時期

環境省の報道発表資料の中に2013年のヒノキ花粉の飛散状況が書かれていましたので引用します。

今シーズンのヒノキ花粉の飛散開始は、九州地方では3月上旬、関東地方が3月上旬から中旬、中国、四国、近畿、東海、北陸及び甲信地方では3月中旬から下旬、東北地方では3月上旬から下旬となりました。東日本から西日本では例年より10日程度早い飛散開始となっています。

また、飛散のピークは、九州地方では3月中旬から下旬、中国、四国、近畿、東海、甲信及び関東地方では3月下旬から4月上旬でした。

4月3日~11日におけるヒノキ花粉の飛散状況は、九州地方では一部を除いて「少ない」レベルとなっており、中国、四国、近畿、東海、北陸、甲信及び関東地方では概ね「非常に多い」レベルとなっていますが、ピークを過ぎて減少傾向に向かいつつあります。

ヒノキ林の少ない東北地方でも岩手で4月5日に200個/cm2超える飛散を記録しましたが、その前後は数個/cm2程度であることから、飛散しても「少ない」レベルにとどまると見込まれます。

また、この資料には「5月に終息」とあります。

…筆者が咳が出始めるのは大抵4月終わりからですが、5月からひどくなります。ということは、ヒノキではないのでしょうか?素人考えではだめですね。なんとか頭を搾ってみても、ヒノキの花粉が5月まで蓄積され、それが後鼻漏によって喉にとどまる、という流れぐらいしか思いつきません。

とはいえ、花粉が喉に直接的に影響を与える可能性が、ヒノキ花粉の特長(と思われる)からわかりました。花粉対策でマスクをつけるのは、喉を守る意味でも重要であるといえそうです。