
情報としては古いのですが、厚生労働省から出ている「スギ花粉を含む食品に対する注意喚起」をご紹介します。
健康食品や民間療法といった類いのものは良い面を強調したり、悪い面を軽微に伝える傾向が強いため注意が必要です。
アレルギー性鼻炎の治療としては期待出来るのですが、非専門家の怪しげなやり方は大きな問題です。ギャンブルのようなハイリスクハイリターンをご自分の体で体験したいのであれば別ですが、一般的にはお勧めできません。
厚生労働省にて、平成19年4月に「スギ花粉を含む食品に関する注意喚起について」という情報が公開されました。
要約しますと、スギ花粉を含む食品をスギ花粉症の人が食べると、重篤なアレルギー症状を引き起こす危険性がある、とのことです。詳細は以下のリンク先をごらんください。
薬事法での対応がとられていますので注意書きはされていますが、食べる側に意識がなければ安全とはいえません。スギ花粉症の方は把握しておくべきでしょう。
そもそもなぜスギ花粉の食品があるのかといえば。
民間においては減感作療法として売り込んでいたようです。アレルゲンを体内に入れることで体を慣れさせ、花粉症などの過剰なアレルギー反応を抑えることを目的としたのもです。
ですが、これらは医師の指導のもとでの実施や経過観察などを含めた療法です。好き勝手に花粉加工食品を食べることが減感療法ではありません。
私も重度の花粉症患者ですから、花粉症のつらさはわかります。医者にかからずに手に入る薬でなんとかしようという気持ちもわかります。
しかし、そこらで販売している花粉加工食品を買って減感作療法を行おうとしてはいけません。鼻のかみすぎで耳がやられるのと同様、よりひどいことになりかねませんから。
前段の厚生労働省のページにもリンクがありますが、この健康食品といって売られている花粉加工食品についての情報が「独立行政法人国立健康・栄養研究所」からだされています。
こちらも公開時期は古いですが、目を通しておいて損はありません。
花粉症が治る」などという甘い言葉に惑わされないで下さい。しっかりと情報を把握することはもちろんですが、私たち花粉症患者がすがりつきたくなるような情報ほど疑ってかかるべきでしょう。
後鼻漏の原因であるアレルギー性鼻炎。コレさえ治せれば後鼻漏から解放されるのですが….。うまくいかないものですね。
なお、医師の治療としては減感療法ではなく「アレルゲン免疫療法」といいます。
100年の歴史を誇る療法で、欧米では一般的ななものだそうです。しかし、経験の積み重ねが基本であり、あまりエビデンス(データに基づく論拠)がありません。
また、副作用がでる場合があり、時には重篤な状態なる可能性もあります。この辺りは民間の減感療法と同じですが、医師の指導の元であっても副作用の発症を予測することは難しいようです。
短期間に効果を発揮するような即効性の方法ではありませんので、医師の経過観察のもと長期的な利用となります。これはデメリットなのですが、同時に何かあった時に早期の発見と治療が可能な環境である点を考えるとメリットにもなります。
アレルゲン免疫療法の詳細は、下記のページをご覧下さい。